コラムColumn

利益率UPのための販売管理・仕入単価・粗利比較が重要な理由 

会社の経営で最も大切なことは何でしょうか。
多くの人は「売上を増やすこと」と答えます。

もちろん売上は重要です。しかし、実際の経営では

「売上が増えているのに利益が残らない。」というケースが非常によくあります。
売上と利益の違い

例えば次のような状況です。

 ●売上は前年比120%なのに利益はほとんど増えていない
 ●忙しくなっているのにお金が残らない
 ●商品は売れているのに会社の利益が少ない

売上が伸びているのに利益が増えない会社は少なくありません。

その原因の多くは、販売管理と原価管理が正しく行われていないことで
次の3つが十分に把握できていないことにあります。

  • ●仕入単価(商品をいくらで仕入れているか)

  • ●販売価格(いくらで販売しているか)

  • ●粗利(販売したときにどれだけ利益が残るか)

この3つを正しく把握し、商品ごとに比較しながら管理することをしっかり行うことで、

  • ●利益が出ている商品

  • ●利益が出にくい商品

  • ●原価が高くなっている原因

などが見えるようになります。

結果として、価格設定や仕入れの見直しなど
経営判断のスピードが大きく変わります。


このテーマを見ている方は、多くの場合次のような悩みを抱えているのではないでしょうか。

  • ●仕入価格が適正なのか分からない。

  • ●商品ごとの利益が見えていない。

  • ●売上はあるのに利益が残らない。

  • ●販売価格の決め方が分からない。
  • ●同業他社と比べて利益率が良いのか知りたい

つまり、知りたいのは

「どうすれば会社の利益を増やせるのか」

ということだと思います。

そのため多くの企業では「販売管理と原価管理の改善」から利益改善が始まります。

今回は、

  • ●利益の基本構造

  • ●原価の正しい考え方

  • ●価格設定の考え方

  • ●利益率を上げるための管理方法

を、できるだけわかりやすく解説していきます。


本コラム記事のゴールと読み進め方(経営判断に直結する解説)

この記事のゴールは次の3つです。

  1. 利益の基本構造を理解する

  2. 仕入単価と販売価格の関係を理解する

  3. 粗利を比較して改善のヒントを見つける

読み進めていただくことで、
利益を生み出す販売管理の考え方が理解できるようになればと、掲載しています。

参考の一つになれば幸いです。


まず押さえる基本用語:仕入単価・原価・粗利・粗利率の違いと見方

まずは基本となる4つの言葉を確認しておきましょう。


仕入単価

仕入単価は商品を1つ仕入れる価格です。

例えば
100個を5万円で仕入れた場合

仕入単価は

500円になります。



原価の内訳

原価は商品を販売するためにかかったコストです。

例えば

  • ●商品の仕入価格

  • ●送料

  • ●外注費

などが含まれる場合もあります。



粗利とは

商品を売ったときに残る利益です。

計算式はとてもシンプルです。

売上 − 原価=粗利


粗利率
粗利率とは

売上に対してどれだけ利益が残るかを示す割合です。

販売価格
1000円

仕入価格
700円

粗利
300円

粗利率
30%

つまり売上の30%が利益の元になるお金です。
後で説明しますが、粗利率を目標にして売価を決めるなど、重要な部分でもあります。


現状把握:売上原価と仕入単価の正しい算出方法

利益を正しく把握するには
「原価」を正しく計算する必要があります。

ここで重要になるのが
売上原価という考え方です。

売上原価は次の式で計算します。
売上原価

期首在庫(月初在庫など)
+ 仕入
− 期末在庫(月末在庫など)

この計算をすることで
実際に売れた商品のコストが分かります。


仕入単価の計算方法と売上原価との違い(計算式・具体例)

仕入単価の計算と解釈
仕入単価は次の計算で求めます。

仕入金額 ÷ 数量

例えば

50個仕入れて
合計25000円なら

仕入単価は

500円です。

ただし、売上原価は

  • ●売れた商品

  • ●残っている在庫

を考慮するため少し違います。

この違いを理解しておくことが
正しい利益計算につながります。


同じ商品でも仕入単価は変わる


仕入管理でよくある誤解が

「商品はすべて同じ原価」

と思ってしまうことです。

実際には、同じ商品でも
仕入れた時期によって価格が違うことがあります。

例えば

1回目の仕入
100個 500円

2回目の仕入
100個 600円

この場合、在庫には

500円の商品と
600円の商品

が混ざっています。

ここでよく使われる考え方が
先入れ先出し

先に仕入れたものから先に売る

という方法です。

これは一般的に
先入れ先出しと呼ばれる管理方法です。

この方法を使うと、

先に仕入れた500円の商品から売れていくため
原価計算が整理しやすくなります。

逆にこの管理をしていないと

  • ●原価が正しく計算できない

  • ●粗利がずれる

  • ●利益が見えにくくなる

という問題が起こることがあります。

特に

  • ●小売業

  • ●飲食業

  • ●製造業

  • ●EC

ではとても重要なポイントだと思います。


粗利・粗利率・利益率の出し方と売上総利益〜営業利益へのつながり

利益の構造

会社の利益にはいくつか段階があります。

流れは次の通りです。

売上

売上原価

売上総利益(粗利)

経費

営業利益

つまり

粗利が小さいと最終利益は必ず小さくなります。

そのため、まずは

商品ごとの粗利

を確認することが重要です。


損益計算書で把握するべき項目と当期純利益までの関係性

会社の利益は
損益計算書という資料で確認できます。

主な流れは次の通りです。

売上

売上原価

売上総利益

販売管理費

営業利益

税金

当期純利益

この中でも特に重要なのが

売上総利益(粗利)

です。

ここがしっかり確保できていないと
会社の利益は残りません。


販売価格を逆算する実践手順:目標粗利率から仕入単価を導く

利益を確保するためには
価格設定の考え方が重要です。

よくある方法が

目標粗利率から価格を決める方法

です。
逆算による価格決定

例えば

目標粗利率
30%

販売価格
1000円

この場合、仕入価格は

700円以内

にする必要があります。



また逆に仕入単価から粗利率を元に売上単価を設定する場合は
基本計算は「仕入単価(原価)÷(1-粗利率)=販売価格」

例えば、目標粗利率30%で
仕入単価700円の場合

700円÷(1-30%)=1,000円
こちらが多いのではないでしょうか。


目標粗利率を設定する基準と業種別の目安

業種別粗利率
粗利率は業種によって違うとされています。

目安としては次の通りです。

小売業
30〜50%

飲食業
60〜70%

EC
20〜40%

など業態によって違いますが

参考の指標として使われています。


仕入価格の改善
原価構造からコスト削減へ

利益を増やす方法は大きく2つあります。

売上を増やす
原価を下げる

特に効果が出やすいのが
仕入価格の見直しです。

例えば

  • ●まとめて発注する

  • ●長期契約を提案する

  • ●仕入先を比較する

といった方法があります。


粗利比較による分析手法:同業他社・製品別で見る収益性


利益改善では
比較することが重要です。

粗利分析
例えば

商品別
担当別
取引先別

などの粗利分析です。

これにより

  • ●儲かる商品

  • ●利益の少ない商品

が見えるようになります。


データ分析ツールでの実務活用

最近では

  • ●会計ソフト

  • ●販売管理システム

  • ●データ分析ツール

を使って
数字を見える化する企業が増えています。

これにより

経営判断のスピードが大きく上がります。


現場運用とKPI:日々の販売管理で利益率を向上させる方法

※KPIとは最終目標を達成するための過程が適切に実施されているか、中間段階で達成度合いをみるための指標をそう表現しています。
KPIについて詳しくしりたい場合は、別コラム「KPIってご存じですか?」を参考
記事はこちら⇒https://www.sdc-raku1.com/entry4.php?eid=310295

利益率を上げるには
日々の管理が重要です。

例えば

  • ●在庫管理

  • ●商品別利益管理

  • ●売上分析

などです。

定期的に数字を確認することで
問題を早く見つけることができます。


まとめと次の一手:資料・計算式で始める利益率向上プラン

利益率を上げるための第一歩は

現状を知ること

です。

まずは次の3つを確認してみましょう。

1.商品ごとの粗利
2.仕入単価
3.在庫の状況

これを整理するだけでも
会社の数字は大きく変わることがあります。

利益は偶然生まれるものではありません。

数字を管理することで作られるものです。


※カシオ楽一では、ロット管理(オプション)を利用することで、売上入力での商品選択後、仕入伝票入力で設定したロット番号を選択することで、同じ商品でも仕入単価を分けて売上伝票入力を処理ができ、粗利金額が適正化できます。
また、標準搭載の分析BIツール「楽らく経営リサーチ」を使って様々な分析が可能です。

BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)とは、企業が蓄積している様々なデータ(販売データ、顧客データ、財務データ、Webアクセスログなど)を収集・蓄積・分析し、経営判断やビジネス戦略の策定に役立つ洞察を得るためのソフトウェアやシステムのことです。
詳しくはコラム記事「BIツールってご存じですか?」を参考
https://www.sdc-raku1.com/entry4.php?eid=289646

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