販売管理システムで作成されるグラフについて
今回は、販売管理から様々なグラフが作成されますが、種類ごとにどのような情報が読み取れるか、売上分析や実務での使い分け方などについて
まとめてみました。ヒントの一つになれば幸いです。
また、文中「KPI(重要な業績のものさしとして、その理解は業務の効率化や成果の向上に直結すると言われています。)」
と出てきます。詳しくは別コラム「KPIってご存じですか?」を参考
(アドレス:https://www.sdc-raku1.com/entry4.php?eid=310295)
なぜグラフ選びで売上分析の精度が変わるのか(目的・検索意図の整理)

グラフは単に見た目を良くするための道具ではなく、伝えたいKPIや意思決定に必要な疑問に答えるための言語です。
適切なグラフを選ばないと本来の傾向や異常値が埋もれ、誤った仮説を導いてしまうリスクがあります。
目的に応じたグラフ選定は分析精度とコミュニケーション効率の両方を左右するため、まずは「何を示したいか」「誰に伝えるか」を明確にすることが重要と思います。
売上・販売管理で求められる情報:割合・推移・関係性とは

販売管理で頻繁に求められる情報は大きく分けて全体に対する構成比、時間による推移、項目間の関係性・相関、そして分布や偏りの四つです。
例えば製品構成比は意思決定に直結するため割合を正確に表現する必要があり、時系列データは季節変動やトレンドを読み取るために適切な軸設定が求められます。
用途ごとに最適な可視化を選ぶことで洞察力が向上するでしょう。
検索ユーザーのニーズ分析:円グラフなどから読取れる情報を期待する理由

検索ユーザーが「円グラフ」などを求める背景には、全体に占める比率を直感的に把握したいというニーズがあります。
特に売上構成や市場シェア、チャネル別比率はパーセンテージで示すことで即座に判断できるため円グラフの期待値が高いのです。
ただし複数項目の細分化や時間変化の表現には限界がある点も理解しておく必要があります。
データ収集から可視化まで:KPI設定と分析の基本フロー

良い分析は適切なKPI設計から始まります。
まず目的を定め、必要な指標と粒度を決めたらデータ収集ルールを整備して前処理を行い、可視化と仮説検証を行います。
最後に意思決定用のレポート化と運用ルールを定めることで継続的改善が可能になります。
この一連の流れを標準化することが分析精度向上に直結します。
代表的なグラフの種類一覧と、円グラフなどから読取れる情報

代表的なグラフを用途別に整理すると選定が容易になります。
円グラフ、棒グラフ、折れ線グラフ、散布図、バブルチャート、レーダーチャート、ヒストグラム、パレート図などはそれぞれ強みと欠点があります。
ここでは各グラフがどのような情報を伝えやすいかを比較表と解説で示し、販売管理での実務的な使い分け方を紹介します。
円グラフの使いどころ:割合把握に強い点と注意すべき事象

円グラフは全体を100%としたときに各カテゴリが占める割合を直感的に示せる強みがあります。
単一時点の構成比や大きなセグメントを見せたいときに有効です。
一方で項目が多すぎると比較が難しく、細かな差や時系列変化の表現には不向きです。
正確な比較を要する場面では凡例やラベルの表示を工夫する必要があります。
棒グラフ(縦棒・横棒):製品別・時系列比較での見やすさ向上ポイント

棒グラフはカテゴリ間の比較に強く、縦棒は時系列の比較に、横棒はラベルの長いカテゴリ比較に適しています。
複数系列を重ねることで製品別やチャネル別の比較が容易になりますが、系列が多すぎると読みにくくなるため並べ替えや色分け、軸のスケーリングを工夫しましょう。
値のラベル表示やソートは視認性を高めます。
折れ線グラフ・折れ線の作り方:推移・トレンドを正しく伝える手法

折れ線グラフは時間軸に沿った推移やトレンドを表現するのに最適です。
適切な期間設定、目盛り間隔、そして季節性やイベント注記の表示が重要です。
複数期間を比較する場合は色と線種で区別し、(基準の数値:100)などの工夫で比較が容易になります。
外れ値や欠損の扱いも明示しましょう。
散布図・バブルチャート:関係性・相関・顧客セグメントの可視化

散布図は散布図は、『気温と売上』のような2つの項目の関係性や、データの固まり(グループ)をひと目で把握するのに向いており、
バブルチャートは例えば『売上』と『利益率』の位置関係だけでなく、その『規模』を円の大きさで表現することで、どこが重要かをひと目で判断できます。
そして、『よく来る人は高い買い物をするか?』や『広告費をかければ売上は上がるか?』といった、2つのデータのつながりを見るのに便利です。
全体の流れを示す線(傾向線)を引いたり、似たもの同士を色分けしたりすると、より特徴がはっきり見えてきます。また、縦軸と横軸の目盛りのバランスを整えることも大切です。
レーダーチャート・ヒストグラム・パレート図などの用途と事例

〇レーダーチャート(強みの可視化): 「製品の性能やアンケート結果など、多角的な評価を五角形や六角形の形で表すことで、どこが優れていて、どこが足りないかが一目で分かります。」
〇ヒストグラム(ばらつきの確認): 「お客様の購入金額や注文数などが、『平均的』なのか『極端』なのか、データの偏りや山なり(分布)を確認するのに使います。」
〇パレート図(優先順位の決): 「『上位2割の重要な原因を解決すれば、全体の8割の問題が解決する』という考え方に基づき、解決すべき優先順位をはっきりさせるために使います。」
〇比較表
グラフ別メリット・デメリットと実務での使い分けガイド

各グラフの長所短所を理解することは、誤解を生まない情報の資料作成の第一歩です。
売上分析の場面では「誰に何を伝えたいか」を基準にグラフを選ぶとよく、経営層にはトレンドや割合を、現場担当には詳細な分布や相関を示すなどの使い分けが有効です。
ここでは目的別の選定ルールと実務での具体例を紹介します。
目的別の選定ルール:割合・傾向・相関・分布・比較の判定基準

目的別にグラフを選ぶ際は、まず表示したい情報のタイプを割合、傾向、相関、分布、比較の五つに分類します。
割合は円や積み上げ棒、傾向は折れ線、相関は散布図、分布はヒストグラム、比較は棒グラフやパレート図が基本となります。
データ件数や受け手の慣れも考慮して最終決定を行いましょう。
見やすいグラフにするための設計要素:ラベル・色・凡例・注釈

見やすさはラベルの明瞭さ、配色の一貫性、凡例の配置、重要点への注釈で劇的に改善します。
色はカラーブラインド対応を意識し、主要系列にはアクセントカラーを使いその他はグレーで抑えるなど視認性を最優先に設計します。
軸のスケールや単位も明示して誤読を防ぎましょう。
- 〇ラベルは短く具体的に、単位を明記する。
- 〇色は最大3〜4色に限定し、代替テキストやパターンも検討する。
- 〇凡例は図の近傍か直接ラベル化で見つけやすくする。
実績・事例比較:同じデータで棒グラフと円グラフを使い分けたケース

ある事例では製品別売上の月単位比較を棒グラフで示し、年間構成比を円グラフで補足することで意思決定が迅速になりました。
棒グラフでトレンドと増減率を把握し、円グラフでシェアの大きさを直感的に示す組合せはよく使われます。
用途に応じた複数表示が最も説得力を持ちます。
分析の精度を高めるデータ処理・解析手法と活用例

分析精度は可視化以前のデータ前処理で大きく左右されます。
欠損値や外れ値の適切な処理、データ型の統一、時刻整備など基本作業を怠ると誤結論を生みます。
さらにクロス集計やクラスター分析、時系列解析などを適切に組み合わせることで現場で使える洞察が得られます。
前処理:欠損値・外れ値処理とデータ精度向上の手順

グラフ作成する前に間違った値の補完や除外、あわない値検出と処理、単位の統一、重複データの削除を含みます。
間違った値は業務的意味合いに応じてゼロを入れたり、平均値や除外するなど行います。
原因を調査してシステム入力ミスなら修正、ミスでもない場合ならルールに基づく扱いを決めます。
クロス集計・ピボットで見る販売管理の洞察とKPI設計

『どの地域で、どの商品が売れたか?』のように、縦と横の切り口を変えて分析するのが最適です。
見る細かさ(レベル感)を適切に変えることで、好調の理由や『どこが足を引っ張っているか』を特定できます。
また、目標となる数字は、結果が悪かった時に『なぜそうなったのか?』を順に分解して詳しく調べられるように作っておくことが大切です。
売上予測とトレンド解析:時系列解析の基礎と簡易予測手法

売上の予測には、『過去の平均』を使うシンプルな方法から、『専用の計算システム』を使う高度な方法まで、目的に合わせて選びます。
1、2ヶ月先の近い未来なら、『最近の売上』を重視する計算が手軽で確実です。 半年や1年先の遠い未来なら、『夏に売れる』といった季節のパターンや、『全体的に伸びている』という大きな流れ(トレンド)を考慮する必要があります。
さらに、『天気』や『セールの有無』といった外の要因も計算に含めると、予測がもっと当たります。
解析ツール選定のポイント(無料ツール・有料ツール・自社運用)

ツール選定はコスト、データ接続性、可視化機能、拡張性、運用体制を基準に検討します。
小規模ではExcelやGoogleスプレッドシートで十分ですが、データ量や頻度が増えたらBIツールを検討します。
※カシオ楽一シリーズではBIツールは標準搭載。
テストを行い検証してから本格導入するのが安全です。
まとめ:売上分析に効くグラフ選びチェックリストと今すぐ使えるコツ
最後に実務ですぐ使えるチェックリストと短時間で効果を出すものをまとめます。
目的に応じたグラフ選定、ラベルと色の基本ルール、定期更新の運用設計、そしてまずは小さく始めて拡張する進め方の提案です。
これらを意識するだけで説得力と活用頻度が向上します。
目的・データ・グラフ選定のチェックリスト(すぐに使える項目)
チェックリストは「誰に何を伝えるか」「期間と粒度は適切か」「欠損や外れ値は処理済みか」「グラフは読み手にとって直感的か」「色やラベルは明瞭か」の五項目です。
まずはこの項目を確認してからレポート公開の承認プロセスに回すことでミスや誤解を減らせます。
運用時のルールにも組み込みましょう。
次のステップ:実施計画(小さく始めて拡張する運用の進め方)

いきなり完成形を目指さず、まずは『一番大事な数字(目標)』を1つだけ決めて、シンプルなグラフで見ることから始めてみましょう。
実際に使いながら、『ここはもっとこうしたい』という周りの意見を聞いて直していくのが成功の近道と思います。
慣れてきたら、見るデータを増やしたり、面倒な更新作業を自動化したりして、少しずつ立派なものに育てていきましょう。
『作りっぱなしにせず、改良し続けること』が何より大切で、会社、お店にあったグラフ活用となるはずです。
※掲載している情報は、掲載時点のものです。
カシオ楽一シリーズの標準搭載BIツール「楽らく経営リサーチ」では
違う種類のグラフを一度に表示させたり、一度保存すると、次回も同じ要件でだせたりできます。
詳しくは弊社までお気軽にご連絡ください。

