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電子帳簿保存法の対応を無料(自前)で行っている場合の失敗しないための注意点を理解していますか? 

去る2025年8月22日に、なんとなく対応している、忘れてしまったので再度聞きたいなどの要望から電子帳簿保存法セミナーを開催しました。

その後、感想をお聞きしますと、
「まだ件数が多いわけではないから、データはしっかり保存しているから、専用ソフト使わなくても問題ない」っと思っていたけど、
「実際運用することになると大変なのがわかってなかった。気づけてなかった。」との声を参加した方々から多数お聞きしました。

そこで、専用ソフト使わず電子帳簿保存法に対応した場合について、ご参考までに記載いたします。

電子帳簿保存法の対応を無料で行う方法
①国税庁が認める「無料(自前)」の方法について

電子帳簿保存法では、電子取引で受け取った、送ったデータ(PDFの請求書など)を、管理する方法として国税庁が「無料」の方法として提示しているのが、主に「ファイル名変更」と「Excelでの台帳管理」の2つ管理方法です。

(1) ファイル名を変更して管理する方法

これは、「検索機能を確保する方法」の一つとして認められています。
受けとった、送ったファイル名に特定のルールで情報を付与し、フォルダ分けすることで、データの管理を容易にする方法です。

要件
●ファイル名に「日付」「取引先名」「金額」を入れる。
●複数の条件で検索できる状態にする。

ファイル名の例
「20250902_株式会社城間商店_15000円.pdf」

この方法の利点は、特定のシステムを導入しなくても、パソコンの標準機能(WindowsのエクスプローラーやmacOSのFinderという機能)で対応できる点です。


ただし手軽に見えますが、いざ検索しようとすると見過ごせない落とし穴があります。
それはこの方法では高度な検索は非常に困難な点です。

多重検索(AND検索)
「2025年8月に取引した〇〇商事の請求書」、「2025年9月で、かつ、金額15,000円以下の取引」といった複数条件での標準検索機能では、ファイル名が完全に一致しない限り、求めているデータを見つけ出すのは至難の業と言われています。

期間検索
「2025年9月1日〜9月30日」といった期間の検索は、ファイルの作成日、更新日ではなく、ファイル名に記載している日付なのでファイル名の並び順で確認するのが一般的でフォルダを開いて一つひとつ目視で確認して探す必要があります。

予期せぬ検索結果

特に注意が必要なのが、数字の検索です。
例えば「50,000以上の取引」を検索したい場合、ファイル名に「20250826」という日付が含まれていると、この日付を数字として反応してしまい、意図しないファイルまで検索結果に表示されることがあります。正確な検索が難しく、かえって混乱を招く可能性があります。

このように、ファイル名変更だけでは、監査や確認作業で非常に手間がかかるというデメリットがあります。

Excel帳簿とファイルを紐づけて管理する方法

ファイル名変更による検索の難しさを補うために有効なのが、Excelで台帳(索引簿)を作成し、ファイルを紐づけて管理する方法です。

ファイル名管理の課題を解決するために、Excelで台帳(索引簿)を作成し、そこで検索する方法は有効です。日付、取引先、金額などを項目ごとに管理できるため、Excelのフィルター機能を使えば、多重検索や範囲検索も容易に行えます。

要件
●Excelで索引簿(一覧表)を作成する。
●索引簿に「連番」「日付」「取引先名」「金額」などの項目を設ける。
●索引簿の各行に、対応するファイルへのリンク(パス)を貼り付ける。またはデータの保存先を記載。


電子帳簿保存法自前対応ブログ用

Excelを使用することで、ファイル名変更だけの場合より検索性は格段に向上します。

多重検索
Excelのフィルター機能を使えば、「取引先名が山田商店」かつ「金額が15,000円」といった複数条件の絞り込みが可能です。

期間検索
「2025/09/01〜2025/09/30」といった日付の範囲でフィルターをかければ、簡単に期間内の取引を抽出できます。

金額検索
「8,000円以下」といった金額のフィルターも簡単に行えます。

ただし、この方法にも運用上の注意点があります。

手作業の負担
書類が増えるほど、Excelへの入力作業が増大します。

「どこに保存したか」
Excel台帳にファイル名を記載したものの、そのファイルがPC内のどこに保存されているのか、きちんと保存先を記載していないと、「台帳上では見つかるのに、肝心のデータが見つからない」という状況に陥りがちです。特に、台帳記載後ファイルを移動したり、ファイル名を後で変更したり、他のPCからアクセスしたりする場合、リンク切れが発生しやすく、せっかく作成した台帳が機能しなくなってしまいます。

データの正確性
Excel台帳への入力はすべて手作業です。件数が増えるほど入力ミスが発生しやすくなり、台帳と実際のデータとの間に齟齬が生じるリスクがあります。
データの正確性を保つためには、定期的なチェックが欠かせません。入力ミスが発生する可能性があり、その管理が重要になります。

リアルタイム性
最新のファイルを受け取っても、Excelに手動で入力しなければデータが反映されません。

ファイル名変更とExcel帳簿の主な比較
電子帳簿保存法自前対応ブログ用

まとめ
「無料(自前)で対応する」という選択は、件数が少ない間費用かけず対応したい場合には有効な手段です。
しかし、運用の手間や将来的なデータ増加を考慮すると、以下の点を押さえておくことをお勧めします。


ファイル名とExcel台帳のハイブリッド運用

ファイル名に基本情報を入れつつ、Excel台帳にはファイルへの正確なパス(リンク)を貼り付けることで、双方のデメリットを補完できます。


明確な運用ルールの設定

ファイル名や保存場所のルールをあらかじめ決めておき、複数人で管理する場合は全員がそれに従うように徹底します。
これらの注意点を踏まえ、ご自身のビジネス規模や業務フローに合った最適な方法を選択したほうがいいかと思います。



電子取引の件数が少ないうちは、これらの「自前」の方法で十分対応可能です。
しかし、取引が増えるにつれて、検索や管理の手間が大きな負担となります。
その場合は、これらの手間を自動化できる電子帳簿保存法対応ソフトの導入を検討することも一つの選択肢となることと思います。

※掲載している情報は、掲載時点のものです。


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