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IT導入補助金を受けた場合の税負担を軽減できる可能性について 

IT導入補助金
カシオ楽一シリーズはIT導入補助金2025対象ツールがあります。
詳しくはこちらhttps://www.sdc-raku1.com/entry2.php?eid=284989

IT導入補助金を対応している中で、
「IT導入補助金を受けた場合の税務上の取り扱いとして、「特別償却」などが適用されますか?」
問い合わせがありましたので、ご参考までに。


IT導入補助金を受けた場合の税務上の取り扱いとして、「特別償却」が直接的に適用されるわけではありませんが、他の税制優遇措置との併用や、圧縮記帳という制度を活用することで、実質的に減価償却の面で税負担を軽減できる可能性があります。

IT導入補助金は、あくまで「補助金」であり、税制上の「特別償却」とは別の制度です。


IT導入補助金と関連する税制優遇処置

IT導入補助金を活用してITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入した場合、以下の税制優遇措置が適用される可能性があります。これらは「特別償却」や「税額控除」といった形で税負担を軽減するものです。

  1. 中小企業経営強化税制(A類型:生産性向上設備)

    • ●優遇内容: 即時償却または取得価格の10%(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)の税額控除を選択適用できます。
    • ●対象資産: ソフトウェア(取得価格70万円以上など一定の要件あり)などが対象です。
    • ●特徴: 経営力向上計画を策定し、認定を受ける必要があります。
    • ※他にもB類型C類型、D類型がありますが、IT導入補助金は、原則として中小企業経営強化税制のA類型(生産性向上設備)が主な対象となります。しかし、B類型(収益力強化設備)、C類型(デジタル化設備)、D類型(経営資源集約化設備)が全く対象外というわけではありませんが、直接的な連携はA類型ほど明確ではありません。それぞれの税制優遇措置は、独立した制度であり、IT導入補助金と連携できるかどうかは、導入するITツールが各税制の対象要件を満たすかどうかにかかっています。詳しくは税理士や専門家にご相談ください。
  2. 中小企業投資促進税制 ※カシオ楽一シリーズの申請はこちらになります。

    • ●優遇内容: 取得価格の30%の特別償却または7%の税額控除を選択適用できます。
    • ●対象資産: ソフトウェア(取得価格70万円以上など一定の要件あり)などが対象です。
    • ●特徴: 個人事業主や資本金3,000万円以下の法人であれば税額控除も選択可能ですが、資本金3,000万円超1億円以下の法人は特別償却のみが適用されます。
    • ※その事業年度の法人税額の20%が控除額の上限となります。限度額を超える金額は、翌事業年度に繰り越すことが可能です。

ポイント: IT導入補助金を受け取って取得した設備について、上記のような税制優遇措置が併用できるとされています。ただし、どの税制が適用できるか、またどのような条件を満たす必要があるかは、導入するITツールの種類や企業の状況、事業計画によって異なります。

2つの税制の違いまとめ
比較項目 中小企業投資促進税制 中小企業経営強化税制(A類型)
目的 設備投資による生産性向上 経営力強化(計画認定前提)
優遇内容 30%特別償却 or 7%税額控除 即時償却 or 10%(7%)税額控除
税額控除の選択可否 資本金3千万円超は特別償却のみ 資本金1億円以下なら選択可能
重要手続き 税務申告のみ 経営力向上計画の認定が必須
対象設備の証明 基本的に不要 工業会証明書などが必要
適用期限 2027年3月31日まで 2027年3月31日まで
対象資産の特徴 幅広い機械装置・ソフト 生産性向上に資する設備


補助金と圧縮記帳

IT導入補助金は、法人税法上「国庫補助金」に該当します。この補助金を受け取って固定資産(ITツールなど)を取得した場合、圧縮記帳という制度を適用することができます。

  • ●圧縮記帳とは: 補助金を受け取ると、その年度の利益が増え、課税所得が増加します。圧縮記帳は、この補助金相当額を固定資産の取得価額から減額する(あるいは損金算入する)ことで、一時的に課税所得を減らし、税金の支払いを繰り延べる(先送りする)会計処理です。
  • ●注意点: 圧縮記帳は、税金を免除する制度ではなく、課税を繰り延べるものです。将来的に減価償却費が減るため、トータルの税負担額が変わるわけではありません。


少額減価償却資産の特例との併用

IT導入補助金を利用して取得した資産が、補助金適用後の取得価額で30万円未満になる場合、中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例(即時償却)を併用できる可能性があります。これは、通常の減価償却ではなく、購入した年度に全額損金として計上できる制度です。


まとめ

IT導入補助金自体が直接「特別償却」となるわけではありませんが、補助金を活用して導入したITツールが、中小企業経営強化税制中小企業投資促進税制といった他の税制優遇措置の要件を満たすことで、特別償却や税額控除の適用を受けられる可能性があります。

また、補助金を受け取った場合は、圧縮記帳を適用することで、補助金受領年度の課税所得を圧縮し、税金の支払いを繰り延べることができます。さらに、圧縮記帳後の金額が30万円未満であれば、少額減価償却資産の特例の併用も検討できます。

弊社が現時点調べた内容であり、間違いがないかの確認と、これらの税制優遇措置や会計処理は複雑なため、IT導入補助金の申請を検討する際には、必ず税理士や専門家にご相談の上、自社にとって最適な活用方法を判断することが重要です。

※掲載している情報は、掲載時点のものです。

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