営業DXって、結局どこでつまずいているのか? 〜ジョハリの窓で見える「現場が変わらない理由」〜
「システム入れたのに、結局何が変わったの?」
「入力作業が増えただけじゃない?」
営業の現場では、わりとよく出てくる声。
でもこれ、ツールが悪いというより
“見えていると思っている世界”にズレがあることが多い。
そのヒントになるのが、ちょっと面白い考え方でジョハリの窓。
■ ジョハリの窓って何?
むずかしく言うと心理学の話なんだけど、ざっくりはこれ。
「自分が思ってる自分」と「他人から見えてる自分」のズレを整理したもの」

このように、
l 自分も他人も知ってること
l 自分は気づいてないけど他人は知ってること
l 自分だけが知ってること
l まだ誰も気づいてないこと
4つの窓に見立てた心理学的なフレームのこと。
難しそうに見えるけど、これ、営業にそのまま当てはめるとかなりリアルになる。
■ 営業に当てはめるとこうなる
● 開放の窓=みんなが見えてる領域(いわゆる営業の記録)
l 商談の記録
l お客さんの情報
l 受注・失注の履歴
いわゆる「ちゃんと記録されてる営業活動」。
ここはもう多くの会社がやってる。
● 盲点の窓=あるのに気づいてない領域(もったいないゾーン)
l 失注理由は“価格”って書いてあるけど本当は違う
l ダメなパターンがあるのに気づいてない
l 成績の差がなぜ出てるか分からない
データはあるのに、意味が見えてない状態。
ここで止まってる会社がかなり多い。
● 秘密の窓=現場だけが知ってる感覚(いわゆる“勘”)
l 「今はまだ動かない方がいい空気」
l 「このお客さんはこの言い方が刺さる」
l 「数字には出ないけど、これはいける」
営業の強さの源泉でもあるけど、
放っておくと“その人だけの技”になる。
● 未知の窓=まだ誰も気づいてない領域(あとから見えてくる営業のパターン)
l いくつかの成功商談を見比べると共通点がある
l なぜか勝っている案件に似た流れがある
l データをまとめて初めて「あれ?」と気づく傾向がある
一見バラバラに見える営業の結果の中に、あとから“共通ルール”みたいなものが浮かび上がってくる領域。
現場ではまだハッキリ言葉になっていないけど、整理していくことで初めて見えてくるパターンがある。
営業の中では意外と見落とされがちだけど、ここに気づけるようになると、
「なんとなく強い営業」が「再現できる営業」に変わっていく。

■ 販管システムの役割はシンプル
一言で言うとこれ。
「4つの窓のズレを、少しずつ揃えていく装置」
- 情報を増やすことではなく
- 認識のズレを減らすこと
ここが本質。
■ 沖縄企業に多いパターン
沖縄の企業って、営業が強いところが多い。
- 人とのつながりで仕事が決まる
- 空気を読むのがうまい
- 現場の判断が早い
これ、かなり強み。
ただその分、
「言わなくても分かる」が成立しやすい
結果として、
- ノウハウが言葉にならない
- 成功が人にくっつく
- システムに残らない
こういう状態になりやすい。

■ じゃあどうやって崩すのか?
ここが一番大事。
ポイントは「気合いで共有しよう」じゃない。
やることは3つだけ。
① “なんとなく”をちゃんと残すようにする
いきなり完璧に書かなくていい。
- なぜダメだったか一言で残す
- 商談のあとに軽くメモする
- 成功した理由も一緒に書く
ポイントはこれ。
感覚をそのまま流さないこと
② 入力を増やすんじゃなくて、ラクにする
よくある失敗は「ちゃんと書いてね」を増やすこと。
そうじゃなくて、
- 選ぶだけで済むようにする
- 項目を減らす
- 現場の言葉に合わせる
つまり、
システムを“現場の言葉に合わせる”
③ 小さく試して、成功してから広げる
いきなり全部やろうとすると失敗する。
- 1チームだけ
- 1商品だけ
- 1つの指標だけ
まず「うまくいった」を作る。

■ で、未知の領域ってどうなるの?
よくある誤解なんだけど、
「未知の領域を最初から探す」のは違う。
実は順番はこう。
- まず現場の感覚を言葉にする
- データとして残す
- 気づける状態にする
この状態ができると、
「あれ?これって共通してない?」
っていう新しい気づきが出てくる。
つまり未知の領域は、
いきなり探すものじゃなくて、整理した結果として見えてくるもの
■ 結論:営業DXって何をやってるのか
一言でいうとこれ。
「営業の“感覚の世界”を、みんなで見える形にしていくこと」
これだけ。
やることを分解すると、
- 見えてるつもりのズレを減らす
- 現場の勘を言葉にする
- データをちゃんと使える形にする
その結果として、
- なんとなく営業が減る
- 属人化が減る
- 勝ちパターンが見えてくる
そして気づいたら、
今まで見えなかった“伸びしろ”が見えてくる
そしてもうひとつ現実的な話をすると、
こういった“営業の見え方のズレ”を減らしていくには、まず土台が必要になる。
バラバラに残っている情報をちゃんと整理して、
「見える状態」にしておくこと。
その意味で言うと、日々の受発注や顧客情報をきちんと残していく仕組みはかなり重要で、販売管理
システムの仕組みは、その基盤づくりとしては相性がいい。
いきなり難しい分析やDXをやる前に、
まず“見える状態を作る”ところから始める。
それが結局、ジョハリの窓でいうところの「開放の窓」を広げる一番現実的な一歩になる。
■ まとめ
営業DXとは、何かを新しくする話ではなく、
実はもっと地味で、「すでにあるものの見え方を揃えていくこと」で、
実はすでに持っている強みを再発見し、共有してくことにある。
「ちゃんと見えてると思ってるけど、本当にそう?」
今一度問いかけてみてはいかが?

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